ANAプラチナ修行僧が続出中!スーパーフライヤーズカード(SFC)って何?入会の条件とメリットをまとめてみた!
2017/09/15
SFC修行する人が続出中!
Super Flyers Card(スーパーフライヤーズカード),俗にSFCと呼ばれるクレジットカードのことをご存知でしょうか?
このスーパーフライヤーズカード。一言で言えば,ANAの上級会員(プラチナ以上)となった人だけが入会可能で,入会してしまえばカードの年会費を支払い続ける限り,上級会員としての優遇を受け続けることができるという凄いカードなんです。
旅行好きの人にとってはあまりにもメリットの大きいカードなので,巷ではSFCに入会するためだけに飛行機に乗りまくるSFC修行僧と呼ばれる人たちが続出中。もともとSFC修行って言葉はあったんですが,ここ1〜2年の修行僧の増加には目を見張るものがあります。
元バックパッカーの友人ekatoさんが,今年はSFC修行に勤しんでおられるってことは以前にも少し触れたことがありましたね。身の廻りでSFC修行したいって人に会ったのは初めてですよーekatoさん!
私自身は10年ほど前にこのカードに入会を果たしました。まだANAでも年間50回搭乗すればプラチナメンバーとなれた頃の話。ANAラウンジがsignetと呼ばれていた時代。
このブログでもたびたび登場するSFC。都度説明するのも面倒なので,ここで一度そのメリットと入会するための条件についてまとめておこうってのが今回のエントリーの趣旨です。
以下,長文ご容赦を。
なお,この記事はSFCの魅力をご存知ない方向けのものなので,既にSFC会員の方,あるいはSFC修行のための有益情報をお求めなんて方向けの記事ではありませんので悪しからず。
ANAの上級会員制度「プレミアムメンバーサービス」とは?
航空会社にはお得意様向けの上級会員制度がある!
SFCの魅力を読み解く前に,はじめにANAの上級会員制度について説明をしておく必要がありますかね。
ANAやJALに限らず,世界各国の主要な航空会社は,自社便を頻繁に利用する顧客を対象に各社独自の優遇サービスを設けています。それが上級会員制度,ANAでいうプレミアムメンバーサービスと呼ばれるものです。
「ANAより羽田行き◯◯便をご利用のお客様に優先搭乗のご案内を致します。ANAダイヤモンド,プラチナ,スーパーフライヤーズ,スターアライアンスゴールドメンバーのお客様,ならびに本日プレミアムクラスをご利用のお客様は,搭乗口◯番よりご搭乗ください。」
空港でこんなアナウンス聞いたことありますよね?このダイヤモンドとかプラチナってのがANAの上級会員=プレミアムメンバーなのです。
ANA「プレミアムメンバーサービス」の特典一覧
もちろんプレミアムメンバー向けのサービスが優先搭乗だけであろうはずもありません。詳しくは追って述べることにして,ひとまずステータス毎の主な特典をまとめてみたのが次の表です。
特 典 | ブロンズ (BRZ) |
プラチナ (PLT) |
ダイヤモンド (DIA) |
スーパーフライヤーズ (SFC) |
---|---|---|---|---|
必要PP | 30,000 | 50,000 | 100,000 | プラチナ以上で入会可能 |
ANA SUITE LOUNGE | - | - | ● | - |
ANA LOUNGE | マイルまたはアップグレードポイントでの利用のみ | ● | ● | ● |
プレミアムエコノミーへの変更 | - | ● | ● | ● |
国内線予約の先行受付 | - | ● | ● | - |
予約時の空席待ちの優先 | ● | ● | ● | ● |
特典航空券の優先 | - | 国際線のみ | ● | 国際線のみ |
優先チェックインカウンター | プレミアムエコノミーチェックインカウンターのみ | ● | ● | ● |
手荷物受取の優先 | - | ● | ● | ● |
手荷物許容量の優待 | 国際線のみ | ● | ● | ● |
専用保安検査場の利用 | - | ● | ● | ● |
優先搭乗 | - | ● | ● | ● |
アップグレードポイント | ● | ● | ● | ● |
フライトボーナスマイル | ●40~55% | ●90~105% | ●115~130% | ●35~50% |
マイル有効期限の延長 | - | - | ● | - |
マイルからANA SKYコインへの特別倍率 | 1.7倍 | 1.7倍 | 1.7倍 | 1.6倍 |
スターアライアンスのステータス | シルバー | ゴールド | ゴールド | ゴールド |
ここでのポイントは,SFCに入会するためにはプラチナ以上の資格を得る必要があること,そしてプラチナとSFCのサービスはほぼ同等であることの2点です。
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どうすればプレミアムメンバーになれる?
さて,偏にプレミアムメンバーと言っても,搭乗実績によってダイヤモンド・プラチナ・ブロンズの各ステイタスにランク分けされています。
年間の獲得プレミアムポイント(PP)数に応じ,
- 30,000PP以上でブロンズ(BRZ)
- 50,000PP以上でプラチナ(PLT)
- 100,000PP以上でダイヤモンド(DIA)
の各ステイタスを得ることができます。ですから,プレミアムメンバーになるためには,この「プレミアムポイント」を積み重ねていく必要があるのです。
プレミアムポイントって?
プレミアムポイント(PP)?
何それ??って感じですか?
プレミアムポイントは,お客様が1年間にご利用いただいたANAグループ運航便や,スター アライアンス加盟航空会社ご搭乗分について,マイルとは別に積算されるポイントです。毎年1月~12月に獲得されたプレミアムポイント数に応じて,翌年度のプレミアムメンバーのステイタスが決まり,ステイタスごとのサービスをご利用いただけます。
引用元:https://www.ana.co.jp/amc/reference/premium/premium-point/
ANAの公式サイトにもあるように,プレミアムポイント(PP)というのは,プレミアムメンバーのステイタスを決するためだけに積算されるポイントのこと。
マイルとよく似てますが,全くもって別物です。
1月~12月の間に獲得したPPによって翌年度(4月~3月)のステイタスが決まる訳ですが,年が変わって1月1日になるとリセットされて振り出しに戻ります。仮に29,999ポイント積算されたところで,ステイタスは平会員のままでまた0PPからのスタートってな感じ。
プレミアムポイントの計算方法は?
プレミアムポイントは以下の計算方法によって算出されます。
基本的には,より運賃の高い航空券で,より遠いところへ,できればより良い席に搭乗することで貯まりやすい仕組みになってます。お得意様向けのサービスを決するための制度ですから,そりゃそうですよね。
分かりやすくするために,高知~東京便に搭乗した際にどの程度のPPが貯まるかをまとめてみたのが次の表です。
クラス | 運賃種別 | 獲得PP | 必要回数 |
---|---|---|---|
普通席 | 片道運賃,往復運賃など | 1,186PP | 43回 |
特割1,特割3,株主優待割引運賃など | 989PP | 51回 | |
旅割21,旅割28,旅割45,旅割55,旅割75など | 589PP | 85回 | |
個人包括旅行割引運賃など | 393PP | 128回 | |
プレミアムクラス | プレミアム運賃 | 1,579PP | 32回 |
プレミアム特割,プレミアム旅割28,プレミアム株主優待割引運賃など | 1,382PP | 37回 |
※必要回数は,50,000PPを獲得するまでの搭乗回数。片道(例えば高知→羽田)を1回と数え,往復(高知→羽田,羽田→高知)する場合は2回と数えます。
上級会員のメリットを実感できるプラチナ以上となるためには,PP単価(1PPあたりの運賃)が良いと言われるプレミアム旅割28(17,090~24,390円)でも37回の搭乗が必要。月に高知〜東京間を最低1往復半しないといけない計算となりますね。
なお,プレミアムポイントを計算するにあたっては,下にリンクを貼ったANAの公式サイトのシミュレーション機能が便利です。
「ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション」
一般的には,PP単価は10円を切れば上出来と言われているので,プラチナ会員となるためにはおよそ50〜60万円の費用がかかります。
それでもプラチナを目指して修行する人が後を絶たないわけです。いったいなぜ?
ダイヤモンド・プラチナ・ブロンズはその年限りのサービス
実は,こんなにたくさんANA便に乗って晴れて上級会員の仲間入りを果たしたとしても,プレミアムメンバーサービスはその翌年度限りの特典です。たまたまある年に飛行機に乗る機会が多くプラチナ会員に昇格したとしても,翌年も50,000PP分を飛ばないとプラチナ会員の資格は維持できないのです。
なぜなら,毎年1月~12月に獲得したプレミアムポイント数に応じて翌年度(4月~3月)のステイタスが決定し,その翌年度にプレミアムメンバーサービスが提供されるというのがそもそもの仕組みだからです。
実際には,ステイタス達成基準を満たした時点から「プレミアムメンバー事前サービス」(但し提供は4月中旬以降)を受けることができるので,例えば1月~3月までの期間で基準を満たした場合だと,2年間に亘ってサービスを受けることができるってことにはなりますが,それにしても最長で2年間だけのサービスなのです。
プラチナ会員資格を維持するためには,毎年5万PP目指して飛び続ける必要があるのです。
「それじゃプラチナ目指して修行する意味ないじゃん!」
そう思ったそこのあなた!もう少し続きがあるのでご辛抱くださいな。
スーパーフライヤーズカード(SFC)入会の条件とその絶大なメリット
入会すれば生涯に亘って上級会員&スターアライアンスゴールドメンバー!
ここでようやく登場するのがSFCことスーパーフライヤーズカードです。
この記事の最初に書いたことを思い出してみてください。
SFCは,ANAの上級会員(プラチナ以上)となった人だけが入会可能なクレジットカードだと書きました。クレジットカードってことは,年会費を支払い続けている限りは会員であり続けるわけです。そして,SFC会員向けサービスはプラチナとほぼ同等のサービスでしたよね?
はい。繋がりましたね!
本来は1年間限定のプレミアムメンバー向けサービスを,入会することで生涯に亘って受け続けることができる神カード,それがSFCなのです。
しかも!
ANAにおいて上級会員としての扱いを受けるに留まらず,世界最大の航空連合であるスターアライアンス(Star Alliance)においても,最上級エリートステイタスのスターアライアンス・ゴールドメンバーとして扱われます。
カードを解約しない限り,生涯に亘ってスターアライアンス・ゴールドメンバーでいられるなんて,SFCはホントに凄いクレジットカードです!
SFCの入会条件
ここまで読んでいただいた方なら既にお分かりでしょうが,SFCに入会するための条件について改めて書いておきます。
それは「プラチナサービス」メンバーもしくは「ダイヤモンドサービス」メンバーとなること,そしてプラチナないしダイヤモンドメンバーである期間中に申込をすることの2点だけ。
なお,クレジットカード会社の審査にパスしないといけないことは言うまでもありません。
ラウンジの利用
ここからは,先に挙げたSFCのメリットのうち,主なものについて触れておきたいと思います。
まずはラウンジアクセス。これを求めてSFC修行する人も多いはず。
空港には航空会社の運営するラウンジがあって,ビールをはじめとするアルコール類の他,食事もひと通り揃っているのが通常。ANAが運営するラウンジがANAラウンジ,出発前にシャワーを浴びることだって出来ちゃいます。
関連記事
出発前にANAラウンジ(羽田空港国際線T)でシャワー/週末夜に利用したら噂通りの混雑っぷりだった話

ANA LOUNGE
幾多の修行ブログでは,ANAラウンジばかりが強調される傾向にあるようですが,SFC=スターアライアンス・ゴールドメンバーなので,スターアライアンス各社が提供するラウンジを利用することも可能。
関連記事
香港国際空港でスタアララウンジ巡り/【SQ】シルバークリスラウンジ編

SILVERKRIS LOUNGE
本当にラウンジアクセスの威力が発揮されるのは,海外でのトランジット時や海外から帰国する際だと思っています。日本ではギリギリの時間まで空港に行かない人でも,海外だと早めに行く人が多いはず。そんな時,搭乗までの時間をラウンジでゆったりとくつろぎつつ過ごせるのは快適この上ありません。
なお,今のところSFCまでは必要ないけど,海外の空港でラウンジを試してみたい!って方は,プライオリティパスが無料で付帯される楽天プレミアムカードがオススメです。
無償でプレミアムエコノミーへアップグレード!
近年,エコノミークラスとビジネスクラスの中間的なプレミアムエコノミーを設置する路線が増えていますが,搭乗手続きの際に空席があれば,無料でANA国際線「プレミアムエコノミー」を利用することができます。エコノミークラスに比べるとその快適さは段違い,運賃の差もかなりあるのでこれは本当にお得すぎるメリットです。
特典航空券予約の優先
もうかれこれ10年以上SFC会員を続けているのであまり意識することはありませんでしたが,マイルで特典航空券を予約する際に,プレミアムメンバー向けの優先枠があります。
これまで夫婦2人でAustrian Airlines(OS;オーストリア航空)でウィーン,Lufthansa(LH;ルフトハンザ)でローマ&ヴェネツィア,ANAでホノルルをはじめとして,ビジネスクラス特典航空券で旅行してきました。中にはゴールデンウイーク期間中に手配できた旅行もあったので,知らずのうちに優先枠を利用できていたのかも知れませんね。
初めて乗ったファーストクラスもANAでした。
そういえば,OSやLHのスターアライアンス・ゴールド向けラウンジは,ビジネスクラス利用者でも入室することのできないSenator Lounge(セネターラウンジ)でした。
スターアライアンス・ゴールドメンバーってそのくらい凄いんです!
空港での優先
国内線利用時はそれほどでもないかもしれませんが,国際線を利用する際にかなりの威力を発揮するのが空港での各種優先サービス。
- 優先チェックインカウンター
- 専用保安検査場
- 優先搭乗
- 手荷物受け取りの優先
エコノミークラスのチェックインカウンターに並ぶ行列を他所眼に,ビジネスクラスチェックインカウンター(もしくはスターアライアンス・ゴールドの表示のあるカウンター)でサクっとチェックインできます。これまで並んだことはほぼ皆無と言っても過言ではありません。そして専用保安検査場(プライオリティレーン)を抜け出国へ。みなさん飛行機に乗り慣れた方が多いので,保安検査もスムーズです。
そしてお馴染みの優先搭乗(笑)
到着空港では,一般会員に先んじて手荷物が優先的に返却されます。
これら各種の優先サービスをトータルすると,その時短効果は計り知れずメリットは絶大です。
家族カード会員もSFC会員!
これまた凄いのが,家族カード会員もSFC本会員と同様の特典を享受することができるってこと!
わが家は妻と娘の3人家族ですが,妻に家族カードを持たせることで快適な旅行ができています。例えばラウンジアクセス。SFC会員は同行者1名までなら一緒にラウンジに入室することができるのですが,私と妻の家族カードで同行者2名までのラウンジアクセスが可能となるので,まだ3歳の娘だって問題なく連れて行けるのです。
無論,SFC家族カード会員だって歴としたスターアライアンス・ゴールドメンバーです。
まとめ
以上,ANAの上級会員制度,SFCのメリットなどについてまとめてみましたが,いかがだったでしょうか?
決してSFC修行をオススメする訳ではありませんが,それなりに飛行機に乗る機会があるとか,今年はちょっと贅沢にビジネスクラスで旅行する機会があるんだとか,少し頑張ればプラチナ基準に達するという方については,修行してまでSFCを取得するメリットは絶大だと思います。
ホントは世の中に氾濫している修行僧の人たちが,どんな路線をどんな風に飛んでいるのかもご紹介できれば良かったのですが,あまりにも長くなりそうなので今回はこれにてお終い。
機会があればそれらについても記事にできればと思っているので,興味のある方は首を長〜くしてお待ちくださいませ。