『室町砂場』天もり発祥の老舗蕎麦屋で「天もり」を【日本橋室町】

   

東京出張!蕎麦が食べたい!

先日,東京に出張してきました。
とある会議に出席にするための東京。諸般の事情により慌ただしい日帰りにしたのですが,せめて美味しいものくらいは食べて帰りたいものです。

ここ最近,立続けにお蕎麦屋さん巡りをしてたこともあって,今回は行く前から本場江戸前のお蕎麦を食べたいと思ってました。

天もり発祥の老舗蕎麦屋『室町砂場』

創業明治2年の老舗

東京でお蕎麦をいただくのは東銀座のミシュラン店『蕎麦 流石』以来。

今回は,老舗の蕎麦屋さんに伺いたいな~などと思いつつ,羽田と目的地の間で駅からもほど近いお店ということで探してみたところ,ピッタリのお店が見つかりました。

お店の名は,『室町砂場』

『室町砂場』と言えば,高知のような地方都市に暮らしていても何度もその名を聞いたことのある老舗中の老舗(創業明治2年),有名店中の有名店。

天もり発祥の店として有名

こちらの『室町砂場』さんは「天もり」発祥のお店として有名なんだそう。

「天もり」とは,冷たい蕎麦を天ぷら入りの温かいつゆで食べる蕎麦のこと。お品書きにあった記載によると,

当店発祥。天ぷらそばを暑い夏でも食べ易くとそばを冷たいセイロに致したのが始まりです。(天ぷらとおそばのセットではございません。お料理の天ぷらは,一品料理のページにございます。)

とのことなので,一般的な「天もり」や「天ざる」を食べたい方は単品で注文する必要があるのでご注意ください。

JR神田駅から徒歩3~4分

羽田から一目散に神田に向かい,山手線を神田で途中下車。

JR神田駅南口から南方面へ歩くこと3分ほど,この辺りを曲がるのかななどと思いつつ左手に目をやると,「おそば 室町砂場」の看板が見えてきました。

創業150年近い老舗には似つかわしくない建物(外観)に若干の不安を感じつつも,いざ店の前まで来るとそんな不安を吹き飛ばすような流石の風情。

外観@室町砂場

いらっしゃいぃぃ~!

11:35頃お店の暖簾をくぐると,花番さんの「いらっしゃいぃぃ~!」の独特の言い回しに少々面喰う。

席に着いて周りを見渡すと既に6割近い客の入り。その半数以上がお酒を飲んでいるという・・・。「粋だね~」というか・・・羨ましい・・・。
東京の蕎麦屋では蕎麦前とお酒を楽しんでこそですからね~。

天もり

冷たいおそばのお品書き

お店に伺う前から,ほぼ「天もり」と決めてたものの,冷たいおそばだけは一応チェックしてみることに。

  • 別製ざる  650円
  • 別製大ざる 950円
  • もり    600円
  • 大もり   850円
  • 天ざる  1,600円
  • 天もり  1,550円

「もり」と「ざる」の違いは,使用されている蕎麦粉の違いだけ。「もり」が一番粉であるのに対し,「ざる」はさらしな粉で打たれたもの。

元祖「天もり」

注文したのはやっぱり「天もり」(1,550円)です。ホントは天ぷらがつゆに入ってるものよりも,別盛りのいわゆる丘天の方がいいな〜などと思いつつも,老舗の看板メニューというのはやはり食べておきたいというもの。「ざる」ではなくて「もり」にしたのは,蕎麦の香りも楽しみたいから。

天もり@室町砂場

「天もり」

思いの他早く,ものの5分ほどで出てきました。これが元祖「天もり」!

まずは何もつけずに蕎麦をズズっと。一番粉というので香りもそんなに強くないのかと思いきや,思った以上にお蕎麦の香りが口の中に広がるのが驚き。続いて,ほんの少し蕎麦つゆに浸けていただくといかにも江戸前な濃い口のつゆとの相性もよく上品に美味い!

続いて,芝海老と貝柱の掻き揚げをパクリと口に運ぶと,胡麻油の香ばしさが嬉しいのと,これまた思いのほか食感が残っているのにまた驚きます。もちろん時間の経過とともにゆる〜くなっていくのですが,これがまた蕎麦つゆの味にコクの深化をもたらし,蕎麦がまた美味しくいただけるという訳。それに忘れちゃいけないのが少しだけつゆに入っている三つ葉。ホントいい仕事してる!!

「もり」+「温かいつゆ」という組合せってどうなんだ?と食べるまでは思っていたものの,夏場に売上の落ちる天ぷらそばの代わりに考案されたメニューというのも納得。温かいそばは年越し以外に食べることのない,したがって天ぷらそばを食べることのない私にとっては,これはなかなかよくできたメニューなのであります。

仕上げにそば湯をいただき,つゆは全部飲みほしました。
いや〜,期待以上に大満足。ご馳走さまでした!!

月替りのオリジナルマッチ

『室町砂場』さんの楽しみの1つにオリジナルマッチがあるという話を聞いて,帰りに帳場を確認したらあったので,記念に1ついただいて帰りました。

マッチ@室町砂場201508

それがこれ。絵柄は季節に因んだ食べ物や草花で月替りで変わるそう。これ目当てで毎月蕎麦を食べに来る人がいるとかいないとか。

まとめ

老舗の蕎麦屋というのはやはり良いものですね。会議前だったので,蕎麦前で冷酒をちびりとという訳にはいかなかったのが残念と言えば残念ですが,思った以上に満足できました。

これからの2年間は東京への出張が続くことになりそうなので,しばらく本棚に眠っていた『東京 五つ星の蕎麦』をバイブルに,蕎麦屋巡りをするのも良さそう。ただの出張で終わらせてしまうのもつまらないしね。

などと思いながらお店を出ると,右手に『日本橋玉ゐ』なる趣あるお店を見つけてしまった。この風情ある建物の雰囲気,絶対美味いはずだと思って後で調べたら,どうやら結構人気の穴子のお店みたい。これも行かねばなりませんな〜。と思ったら・・・何だ。。。新しい店か。。。

DATA of 『室町砂場』

  • 住  所:東京都中央区日本橋室町4丁目1番13号 砂場ビル
  • 電話番号:03-3241-4038
  • 定休日 :日曜・祝祭日
  • 営業時間:平日 11:30〜21:00(LO 20:30)
         土曜 11:30〜16:00(LO 15:30)

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